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そこに気を失って倒れていたのはなんと、
「が……ガキんちょ……?」
まだ10歳も満たない子供だったのだ。
子供は蹴りの衝撃で伸びて起きそうもない。
「……しょ、しょうがない……とりあえず連れて行くか」
そう言って子供をおんぶして歩き出した。
子供は夢を見ていた。
夢は絶句する光景から始まった。
遊びから帰ってきたら自分の住む集落が赤々と燃え広がる火の海になっており、何が起きてるかさえ分からない。
子供は急に燃え広がる火の海に飛び込んだ。
「母さん!!!! 母さん何処にいるの!?」
母を探すために飛び込んだのだ。
飛び込んで中央まで来たところで、
「坊や……」
子供の母なのか、迷子になった子を見つけてホッとする母の顔になっていた。
子供も安心して母の元に近付こうとした……。
母が口から血を流し倒れた。
母の背後には黒の服を着た男が木の釘と金槌持ち笑う。
男はゆっくり近付きながら、
「まだ居たのか?」
笑顔で笑い、木の釘を子供に向けた。
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