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「断りに来た?」
「うんそうなの…ゴメンねカツオ君。」
「………」
「真剣に悩んで悩んで悩み抜いた結果なの、カツオ君が人生を賭けた一代事業なのにそんな簡単に広告塔なんてやっぱり私には荷が重くて無理だわ、カツオ君の力になってあげたいって気持ちはもちろんあるんだけど…だからホントにゴメンなさい!」
浮絵の意外な言葉に一瞬戸惑いを見せたが カツオはすぐにまた屈託のない笑顔を見せた。
「そうですか…浮絵さんならきっとウチのホテルの最高の宣伝になってくれたんですけどね、まぁ色々考えた結果だろうから…うん分かりました!」
カツオは何度も頭を下げる浮絵にもういいですからと優しく笑いかけた。
「きっと浮絵さんの事だからあれからずっとずっと気にかけてくれてたんだと思います…なのに僕のほうこそ軽々しい気持ちで頼んだ事実は今スゴく後悔してるんです。」
「な、そんなッ、カツオ君は何にも悪くないじゃない!はっきりしないのは私のほ…」
カツオは無理難題を押し付けて申し訳ないと浮絵に頭を下げた。
「仕事で忙しい上に変な相談持ちかけた僕が悪いんです!ホントごめんなさい!」
「だからちがッ!カツオ君が悪い訳じゃ…ンモッそんな所ダメだよカツオ君ッ!いい?男ならもっと自分のした事に信念持たなきゃ!」
…思わずいつもの癖で説教じみた言葉を発した事に浮絵は我に返った。何言ってんのバカ、相手はあのいつもの唐変木馬鹿野郎じゃないんだよ、あのカツオ君だよ?恥ずかしさと腹立たしさが入り混じった感覚が浮絵の頭を通過した。
「浮絵さんの言う通りですよね…だからバカなんだ僕は。」
「ンモッだからそんなに自分を責めちゃダメッ!」
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