舞台

2/2
前へ
/18ページ
次へ
目覚ましが鳴った後に モゾモゾとベッドの上でぐずる ぼんやりと窓を見つめては 夏の眩しく、熱い視線に 渋々起き上がる 『今日は通るかな』 『今日は見れるかな』 『今日は喋れるかな』 繰り返すように頭で考えては 鏡の前で役を練習。 だけど、いつもそれは “練習”で終わる 絶対に“本番”にいけない とわかっていながら この役はうんっと力を つけなきゃ、やれない役 そしてこの役はあたしにしか 絶対にできない “本番”のチャンスは一日に数回 私が舞台に立てるのも 一日に数回 彼が横を通る時こそ シンデレラの役になるチャンスなんだ .
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加