船橋

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  美味しい魚というと、横浜を南下するのかな? いや、車は東京に向かっている。 高速に乗った。 ど、どこに行くの? 「課長、どこに行くんですか」 「ん?」 鮎川は微笑んでいる。 「船橋」 ・・・・・・ふ、ふなばし? 千葉? 遠くない? 「遠くないですか、船橋」 「まあね」 鮎川は微笑んでいる。 「ドライブですよ。ドライブ」 「は、はあ」 「あ、寝てて、いいよ。まだまだ、だから」 「は、はい」 美味しい魚なら神奈川にもあるでしょうに。 そう思いながら、小気味よく走る車に揺られて、ウトウトしてしまった。 金曜だから、一週間の疲れが溜まっている。 鮎川が、音楽の音を、小さくしてくれたのが、 わかった。 もう、睡魔には、勝てなかった。  
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