休日の始まり

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「そうじゃな…」 じいやは思案げに言葉を切る。 そして、 「最近、お主たちはちょっとばかり働きすぎじゃないかのぅ」 と少し心配そうな表情を見せた。 3人はこのところ、宝を集める傍ら、じいやの昔からの馴染みの情報屋と共に目に余る悪事を働く悪党を懲らしめたりもしている。 それぞれに「怪盗団」と言えるほどの手下も率いるようになり、彼らの世話や指示も忙しいようだ。 だが若い3人は顔を見合わせた。 確かに、怪盗稼業を休む機会がない。 しかし 「俺たちなら適度に休養をとっている。問題ないさ」 ユウが軽く肩をすくめて言う。 「そうね、私全然疲れてないもの」 アイも言葉を続けた。 ケイのように態度には出さずとも、2人とも次のターゲットとなる宝が気になっているのだ。 そう言われても、じいやの表情は晴れない。 むしろいよいよ眉間に皺を寄せた。 がむしゃらに走っている時には、自分がどれだけの距離を走ってきたかわからないものだ。 「一流の怪盗になるには、体調管理も大切じゃ。休養ではなく休暇、せめて休日を設けるべきじゃ。怪盗の心得はあせらずゆっくりじゃよ」
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