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そう言われても、3人は納得いかない様子だった。
とにかく一刻も早く、1つでも多くの宝を狙い、盗み出したいのだ。
3人の有り余る若さに、じいやは内心苦笑していた。
自分にもあった、懐かしい時代を少し思い出してしまう。
思えば何物も顧みることなく、走ってきたような気もする。
もちろん自分の人生に後悔などはなかった。
とは言え、同じようにひた走ろうとする若人たちを見ると、やはり自分の役目は一度立ち止まって周りを見ることを教えてやることだとも思う。
「では次の宝の話は明日の夜じゃ。香水をコンプリートしたお祝いも兼ねて、たまには4人で食事会をしようかの。それまで丸1日あるから、ゆっくり休むのじゃ」
とにかく、1日だけでも頭と身体を休ませることができれば充分だろう。
無理に休暇を与えることはできない。
「ちょうどよい機会じゃ。手下たちも休ませてやるんじゃな」
「そうだな」
ユウが肩をすくめた。
「確かに、私たちが大丈夫でも彼らは疲れてるかもしれないものね」
アイも少し反省したように呟く。
「ま、たまにはのんびり筋トレするか」
と、ケイも同意して頷いた。
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