一話

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sideエヴァンジェリン ―――クッ!?、何なのだこいつは!! 時折、後ろを見ながら先ほどの攻撃でパーツの一部を破損した茶々丸に守られるように木々の間を縫うように飛びながら、脳内で思いをめぐらせる いつものように、ジジイに頼まれ夜の見回りを茶々丸の腕に乗りながら空を飛んでいると、結界を越えて学園の敷地内に何者かが入り込んだ事を感知する 「マスター」 「…分かっている。 面倒くさいが、侵入者に一番近いポジションを警備しているのは私たちだ。直ぐに向かえ」 「了解しました」 茶々丸とのやり取りの後、侵入者の方に向かう茶々丸の腕の上で、どうせ今回の侵入者も西の者だろうと考えいると 案の定、西の者で小太りの頭髪の薄い男がいた その男が手に持っていた札により、鬼などの式を召喚したが、私と茶々丸で十分に倒せる範囲内だった しかし、憤怒の表情を浮かべたその男が懐から小さな木箱のようなものを取り出す。 その箱には封印の為なのか札が貼り付けられており、男がその小箱の蓋を札ごと取り、呪詛のような言葉を呟くと、その木箱の中から黒い煙のような何かが吹き出し徐々に何かの形を作りあげる それは、まさしく悪魔と呼ぶに相応しい体躯をしていた。 2メートルほどの大きさに一対の翼と巨大な爪を持ち、悠然と立っている 「行け、悪魔よ!こざかしい小娘共を皆殺しにしてやれ!」 小太りの男がこちらを指差しながら怒鳴り散らす姿を見るとイラッとくるがいまはそんなことを気にしている暇はない。 と、その悪魔が指を指している男の方に顔をむけるとその巨大な爪を振り、小太りの男を切り裂いた。 「な"!?」 あまりにも予想外なことに、驚き、からだを硬直してしまった 切り裂かれた男はうつぶせに倒れ、びくびくと体を痙攣させている そして、その悪魔は自分を呼び出した小太りの男に興味をなくしたようで、こちらに顔を向けるとその巨大な爪から魔力弾のようなものを放ってきた。 私は、体を硬直させてしまっていたところで直撃しようとしていたが、茶々丸が私を横から抱え、飛んだ 「茶々丸!?」 「損傷は軽微です。 それよりも今はここを離れましょう」 そしていまに至る
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