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『ヴヴゥ…』
突然、悪魔が唸りだし、巨大な爪を振りかざして来た
「…って、俺にかよ!?」
とっさに動いて弓状の武器で受け止め、悪魔の重圧を…って攻撃が軽い?
「せいっ!」
反対側の刃で、悪魔を切り上げて怯んだ悪魔に、いつの間にか悪魔の懐に潜り込んでいた弘が右ストレートをはなった
「おらぁ!
…なんか、すっげー体が軽い」
そのパンチを腕をクロスする事で地面を削りながら後退した悪魔をよそに、殴った右手を不思議そうに開いたり握ったりして弘が呟いていた
確かに、俺も体が軽くなり、冗談のようなパワーに、巨体の悪魔が弱く感じていた
「…いや、こいつが弱いんじゃない
俺達がとてつもなく強くなったんだ」
弘の横に並んだ玄がそう言いうと同じようにパンチやキックをがむしゃらに浴びせ、悪魔の巨体にいくつもの傷がついていく
そして悪魔は低い声で呻きながらその体を徐々に黒い煙にし、そのまま黒い煙が空に登り、どこかへと飛んでいってしまう
「…逃げた…のか?」
それから数秒ほど周囲を警戒するが、なにもないっぽいので、変身を解除するためにハートの2をラウズ(カードをスリットに通す)する
『spirit』
「誠、二人は?」
「まだ目覚めない」
「しっかし、どっかで見たことがあるような気がするんだよな~この娘」
確かに、弘が言うように俺もどこかでみたことがあるような気がしてならない
すると、誠の胸ポケットから、手帳のようなものが落ちる
それを手にとってみると
「生徒手帳?何でそんなものが…」
玄が女の子を地面に優しく寝かせながら言う
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