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木曜日 PM1:00
俺の名前はガイ・トンプソン
トンプソン孤児院で育った奴はみんなこのファミリー・ネームなんだぜ。わかりやすいだろ。(何人かは違うファミリー・ネームの奴もいるけどな。)
職業は怪盗
特徴は人よりでっかい身体に炎のような赤毛
それとウサギのような真っ赤な瞳。
で、俺は仕事で走っている訳じゃなく、最近仕事を1つ終えるとジャン・ピエールっていうケーキ屋に走る。
ケーキの為だけじゃ無いぜ。
「いらっしゃいませ!」
この声の主、柔らかそうなブルネットにくりっとしたコリスのような瞳を持つ店員が好きなんだ。
「今日は何になさいますか?」
彼女は俺を仰ぎ見ながら注文を聞いた。
実はケーキの事は、ショートケーキくらいしか解らねぇから、上段一列、一つずつとオペラを頼む。
オペラは特別だ!ここのオペラは本当に旨いと思う。
彼女はケーキを詰め終わると
「そうだ!お客さん
来週の日曜日うちの先生、パティシエコンクールに出るんです!」
「優勝するといいな。」
俺がそういうと
「お客さんもそう思う。私もそうなったらいいなぁって思うの!だって先生のケーキはとても美しくって美味しいんだもの。」
彼女は邪気のない笑顔を振りまいた。
「ありがとうございました。」
と彼女に見送られ、俺は店の外に出て
「今日も名前聞けなかった。」
と独り言を言った。その時ハタと気が付いた。
これってストーカーじゃねーか!
自己嫌悪に陥りながら俺は事務所に戻った。
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