0人が本棚に入れています
本棚に追加
半年の月日が流れたある日、突然携帯が鳴った。
相手は公衆電話からだ。
少し考えて、ほぼ無意識に携帯を開き電話を受けた。
「愛子?久しぶり。幸せにしてる?」
声の主は、和仁だった。
弱り切った声だが、間違えるはずがない。
「和仁!?アンタこそ大丈夫なん!てか…」
まくし立てるように喋る愛子を、和仁は静かに制して続ける。
「文句がいっぱいあるのは分かる。たけど、今は俺の話を聞いて」
苦しそうに、息を吸い和仁は続ける。
「今まで、俺はお前に沢山わがまま言ったけど最後にもう一つだけわがままを聞いて…」
愛子は、涙を流し和仁の最後の願いを聞いた。
そして、翌日愛子は和仁に指定された病院へと向かった。
最初のコメントを投稿しよう!