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スナックからの帰り道。
愛子は、暗い夜道を自転車で走っていた。
彼氏は、寝ているのか電話にでない。
暗くて怖い…
そんなことを考えているとき、何者かに蹴飛ばされ自転車もろとも倒された。
「………ッ」
痛みを感じる間もなく、男が覆いかぶさってきた。
抵抗をしても、男の力に敵うはずもない。
恐怖に固まり、諦めた瞬間の時であった。
ゴツッ
鈍く、生々しい音と振動が響き身体に覆いかぶさっていたものが無くなった。
目の前には、常連の中年男が額から血を流して横たわり、その男を見下すように赤いジャケットを羽織った男が立っていた。
「愛子…、早くどっかいって」
赤いジャケットの男が呟いた瞬間彼も倒れ込んだ。
しかし、愛子は恐怖のあまり動けずにいた。
眼前で、赤いジャケットの男は強く咳込み大量の血を吐き出した。
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