覇王項羽降臨外伝～孫策伝～

初陣。

兵士達は突然の孫策が姿を現し驚く

孫策は勝ち誇り言う

｢大人しく縄に吊されるかここで死ぬか選ばせてやる｣

圧倒的優位な心境にいた孫策に兵士の一人が思わぬ事を口にした

｢なんだ、孫堅じゃねぇのか｣

兵は残念そうに言うと大きな溜息を吐いた

｢何！？貴様俺を愚弄してるのか！｣

｢違ぇよ、お前はここで死ぬんだよ｣

何を馬鹿な事を、と言おうした時だった

｢お前の逃げ道はもう無いぞ！｣

孫策が見上げると崖の上に自身が追っていた敵将黄祖が不適な笑みで立っていた

更に孫策は上を見上げた時自分が置かれた最悪の状況に気付く

孫策の立つ場所

それは崖に取り囲まれた凹みのような場所で逃げ道は一つ

孫策は急ぎ逃げ道へ向おうとしたが既に黄祖が手回しした兵士が唯一の逃げ道を防いでしまった

｢くっ！･･･黄祖！下りてこい！｣

｢ははははっ！！！猪武者が何を言う！お前はここで死ぬのだ！お前達！弓を構えよ！｣

逃げ道を防いだ兵、崖の上に隠れていた兵が孫策に弓を引く

｢最早これまでか･･･｣

若い孫策は顔をしかめる
父に申し訳が無かった

ならば武人として華々しく散ろう

孫策は剣を構え逃げ道を塞ぐ兵に決死の突撃を敢行しようと第一歩を踏み出した時

馬が駆ける音がすると思えば塞いだ兵を蹴散らす黄蓋と韓当そして父孫堅が救援に駆け付けた