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『生活の方は、我々がバックアップします。君たちに不自由な生活はさせはしない。…来てもらえるね?』
即答せず、兄貴と姉貴は黙ったままだった、が…。
『考えさせて、下さい…』
兄貴のその一言に、ランドは黙って頷き、部下を引き連れて、部屋を出ていった。
それからは兄貴も姉貴も、暗い表情で笑顔になる回数も随分と減った。
『大丈夫、何も心配はいらない』
眠るまでの間に、何度二人から同じことを聞かされたか。
そして夜になり、布団に潜り眠りについた。
…が、何故か目が覚めてしまった俺は、これまた何故か落ち着かなく、姉貴に何か話を聞かせてもらおうと思ったが、横で眠っているはずの姉貴の姿は無かった。
不安に思った俺は、兄貴を起こそうと反対側の兄貴のベッドに行くが、兄貴の姿も無かった。
余計に不安に襲われた俺は、再び自分の布団に潜り込み、次に目を覚ましたら、二人はちゃんといると強く思い、目を瞑ったが、やはり落ち着かなかった。
布団を蹴飛ばし、部屋の戸を開け、真っ暗な夜の病院の中を、二人を探すために勇気を出して歩いた。
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