ジキル

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    自分のことを書くというのは、一番楽なハズなのだが…、どうも気恥ずかしい。 だがまぁ…他の隊員のことを書いて、自分に関することにはノータッチというわけにはいかないだろうな。 今戦場を共にする隊員の多くは、俺が白檀に関わって以降からしか知らないだろう。 中には士官学校時から知っているという隊員もいるが……。 それよりも前、その時の俺が何をしていたのか。 まぁ、知らなくて当然だ。 俺は陽の光があたる所にいなかったからな。 ……俺がまだ幼い頃、親族は俺以外全員死んだ。 殺ったのは共和国兵ではない、帝国の脱走兵だ。 何人いたかな…、あっという間だったよ。 外は雪が降ってて、結構積もってて…。親戚に祖父母、珍しく全員揃ってのクリスマス。 とても裕福とはいかないが、それなりに幸せな生活だったんだと思う。 兄弟で末っ子の俺は、兄貴と姉貴によくしてもらってた。 兄貴は地元じゃ有名なスポーツマンで、地元で一番の進学校の生徒会長。 姉貴は頭に超が付く容姿端麗で、将来は国を代表する女優になるだろうと言われていた。 負けず嫌いな性分でね、俺も負けじと、幼いながらに張り合っていたけど、あの二人には敵わなかった。 親父は普通の所謂サラリーマンで、お袋は地元の役所の職員。 共働きの両親に代わって、世話してくれてたのが、兄貴と姉貴だったのさ。    
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