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「まぁ……燭台は無理でも蝋燭ぐらいなら……(注;良い子も悪い子もマネをしてはいけません)」
そんなことを考えていると、足に柔らかな感触が。
「ん……??何??」
その瞬間、今まで落ちてきた力が一気に放出されたかの様に、重力がかかってきた。
「え……えぇぇぇぇぇぇ!!」
あのゆっくり速度はフェイクか!!私は騙されたのね!!死ぬ!?死ぬの!?
そんなことを考えながら、足はその柔らかなものに埋まっていく。
「何これぇぇぇ!?」
足元に目をやると、派手な白地に赤の斑点がある巨大な何が視界に入ってきた。
「うぇぇぇ!?何じゃこりゃぁぁぁぁ!?」
かの名優もびっくりの声量で叫ぶ、叫ぶ、とにかく叫ぶ。
ずぶずぶと足が埋もれていき、腰まで届くか……というところで、急激に重力は力をなくし、私は足がすっぽり埋まった状態で取り残された。
……??
…………!?
「たっ助かった……のか……この状態で……」
周りはどうやら森の様だが、とにかく木が高い。周りの草花も非常に大きい。まるで木の様な太さと高さである。
そして私が今埋まっているものは……
「茸……??」
どうにか頭を動かして、物を観察する。丸いのは……茸のかさの部分だよね…??なんか臭いもそんな感じだし……。
埋まって中が見えている部分を嗅ぐと、茸類独特の香りが鼻をくすぐる。
これなら燭台や蝋燭よりも美味しそうだし、少なくとも餓死はなくなったかな。あ。でも毒々しい色してるし毒茸だったりするのかな??
足を引き抜こうと腕に力を入れるが、ふわふわしていて手応えがない。むしろ腕も埋まりそうな勢いだ。
うーん……どうしよう……。
かじってみようかな……。
ひとまず私は非常にお腹が空いていた。
そして目の前には、柄は明らかにヤバそうだが、茸がある。
これを食わずしてどうするのか!!
据え膳食わねば男の恥だぜ!!(ギラリ
お腹が空きすぎて、判断力が鈍っていた私は多少考えた後、茸にかぶりついた。
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