亜理沙着地して、茸を食す

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………………!? 茸??茸を食べたから?? さっき私がした行動と言えば、それぐらいしか思い浮かばない。 この茸を食べたことで、私は小さくなってしまったらしい……。 あー……何かもう驚くのも面倒になってきたよー……(やさぐれ 原因がわかっても、解決方法がわからなければどうしようもない。私はこの茸の壁に阻まれ、何処にも行けない状態というのは変わらないのである。 「ど……どうしろと……」 やっぱり怪しい茸なんて食べるべきじゃなかった……のかな……。いや、でもお腹空いてたし……背に腹はかえられないよね。美味しかったし……。 そこでふと、まだ空腹だったことを思い出した。 目の前には美味しい(身体は小さくなるが)茸。 これ以上小さくなったとしても、状況は変わらないし……別に良いよね……。 もふっ 私はまたもや茸にかぶりついた。 もふっもふっ 内側は表皮とはまた違い、より軽い食感である。例えると……綿菓子だろうか。 食感の軽さに比べ、味は非常に濃厚でいながらも、しつこくない。まるで高級なミルクジェラートを食べているようである。 まいうー!!まっまいうー!! 未知の旨さに出会った私は、思わず閉じていた目を見開いた。 そこには、先程目にしていた白い壁はなく、私は茸と同じぐらいの大きさになっていた。 おぉぉぉぉ!!よくわからんけど驚いたぁぁぁ!! どうやら茸の表皮を食べると小さくなり、内側を食べると大きくなるらしい。 べっ便利やー!!ドラえ○んの便利道具やー!! (道具というか食材だけれども 「これがあれば、身体の大きさを自由自在に変えられる訳ね……」 自分と同じくらいの茸を眺めながら私は考える。 茸を食べて、大きさを調整しながら穴を登って戻る……。のは無理か……。 はっきりとした時間はわからないが、随分と長い時間を穴で過ごしたことを考えると、それを逆に登るというのはいくら大きくなっても苦しい様に思える。 その上、今上を見上げても穴らしきものはまったく目に入らない。
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