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がさがさがさ……がさがさがさ……がさがさがさ……がさがさがっ
…………。
……。
「ここ何処よぉぉ!!」
行けども行けども目の前には森、森、森。人の家どころか、道も何もない。
本当にこちらで合っているのか、そもそも目的地などないのだから間違うことはないのだが、このまま歩いて果たして人家に辿り着けるのか。
何よりもお腹が空いている。喉も渇いたし、シャワーも浴びたい、ふかふかソファーでまったりしたい!!
「うぉぉぉ!!」
無意味に両手を上にあげて叫んでみる。音は森に吸い込まれるように消えていった。
「はぁはぁ……無駄に体力使っちゃった……。」
頭をガクリと下げる。さやさやという梢の音、甲高い鳥の声の他には何も……
にゃぁ……にゃぁ……
ん??
何?
にゃぁ…にゃぁ……
あれ?猫の声?
周りをキョロキョロと見渡す。声も遠いし、少なくとも視界の届く範囲には居ないように思う。
「……探して…みるか。」
特に目標もない私は、猫を探してみることにした。
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