森深くして猫に出会う

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にゃー…にゃー… 猫は普通それほど鳴かない生き物だが、この猫は随分と長く鳴いている。 「わかりやすくて良いけど……」 子猫で親猫とはぐれたのだろうか、怪我でもしているのだろうかと思わず心配になり探す足が速くなる。 右往左往しながらだが、着実に声は近付いていた。 にゃーにゃー… がさがさがさがさ 鳴き声はすぐ近く、さらに茂みを漁るような音も聞こえる。 「すぐ近くのはずだけど……?」 足元の茂みをじっと見ると、微かに揺れている気がする。 「猫ちゃん?」 猫は上から見られると、びっくりして逃げてしまう。猫に怖がられない様に、屈みながら猫を探す。すると、 ぴょこっ 目の前には黒くて真っ直ぐなしっぽ。 その先を目で追っていくと、ふさふさとしながらも艶やかな黒い毛が生えたお尻、小さな手足に柔らかそうな身体。そして頭には二本の耳。 (猫ハケーン!!キター!!) 顔はこちらからは見えないが可愛い気がする。なんか可愛いオーラが出ている。可愛いハンターの私が言うから間違いない。 やはりかなり小さいことから考えると子猫だろうか。しかし身体のバランスはすでに成猫のものである。とにかくすばしっこそうだ。 (とりあえずこっち向いてくれないかなぁ……)
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