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弟が話した内容を要約すると。
朝、動物当番だった弟は動物小屋に餌やりと掃除の為に向かった。
一番乗りで鍵を開け、餌をやり、掃除をしていたところ、うっかりちり取りを倒してしまった。
その拍子に扉が開き、うさぎが脱走。
後から来た係の人達により大体のうさぎは捕まえたが、残り一匹がどうしても見つからない。
朝の時間も間の休憩もずっと探したがまったく姿が見えない。(この時許可を貰って幼稚園は探したらしい)皆は気にしなくて良い、お腹が空いたら帰って来ると言っているが心配でしょうがない。ということだった。
心優しい弟らしいと、少し萌え……いや…和みつつ、頭を撫でてやる。
「それで…お姉ちゃんにも協力して貰おうと思って……」
そういうと弟は潤んだ目で私の方を見てきた。
うっ……腐りきった私にはこの瞳は眩し過ぎる……。
当然断れる訳もなく、即OKをした。まぁ、私も動物好きだしね。
「お姉ちゃんありがとう!!」
泣き顔から一転。弟の可愛い笑みを見ると、OKして良かったと心の底から思った。グヘヘヘ……。
はっ!!いかんいかん。
弟相手に腐人になるところだったぜ…(じゅるり
「じゃあ早速探そうか。お姉ちゃんは何処を探せば良いかな?」
弟は一瞬考えると、テキパキと指示を出してくれる。ボーッとしてるように見えて、実は頭も良いんだよね……。
何故姉弟でこんなに差が……?とか思いながら、しっかりと指示を頭に叩き込む。
「じゃあ、お姉ちゃんは高等部を中心に探せば良いんだね?」
「うん。小学部は僕が探す」
そこでふと疑問が湧いたので質問する。
「ん?中等部は大丈夫なの?」
小学部に隣り合っていて見つかる確率も高いと思うんだけど……?
「そこは、中等部のお兄ちゃんお姉ちゃん達が探してくれるって!!」
………………
………………
何故に!?
「校庭で泣いてたら、沢山お兄ちゃんお姉ちゃんが来てくれて、お手伝いしてくれるって言ってくれたんだ!!」
な…なんだとぅ!?
弟は年上に人気がある。
幼稚園の頃なんて、お母さん方がファンクラブを作っていた程だ。
くっ……。弟に悪い虫が……これが終わったらちょっと警告に…グフフフ…
「何処でも探してくれるって言ったけど、他の敷地に入ったら怒られちゃうもんね」
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