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□ ■ □ ■
フェイの家で四人を待っていた俺は、訪れた彼らの様相に度肝を抜かれた。
玄関で立ち尽くした俺を、それこそ殴りつけてきそうな勢いでジェイさんが怒鳴りつける。
「ここを開けろ! フェイを呼んでくるんだ!」
玄関口に立ったままの俺はその声で正気に戻り、急いで鍵を開けると、きびすを返してフェイのところに向かった。
心臓が、ばくばくしていた。
ほんの少しだったけど見えた二人の、顔。
血の気が失せてほとんど意識がないみたいだった。
いや、フレッドはかろうじてまだ意識はあったみたいだ。
時折痛い、と呟いていたから。
でもジョンがーー
「フェイ! 急患だ!」
「なんだね?」
「ジョンが! フレッドが! ――撃たれてる!」
俺の言葉にさすがのフェイも血相を変えて席を立った。
放り出されたマウスがキュウッという声を上げてケースの中に落ちる。
「今すぐ処置室に運び込め!」
リビングに駆け込んだフェイは二人を見るなりそう、叫んだ。
□ ■ □ ■
フェイが手当を終えて出てきたのはそれからすぐのことだった。
グロウの時に比べあまりに早いその処置時間に、俺もジェイさんも驚いたようにソファから腰を浮かせた。
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