62人が本棚に入れています
本棚に追加
それが、今のチーム――Blaze Wolf
命名は、俺。
激しい炎のような、強い閃光のような名前がいいとグロウが言ったから。
俺は元の母体のデザート・ウルフからWolfだけ貰って、そこにBlazeという単語をつけた。
――その、チーム名をつけてほしいって言った時のグロウの姿を、俺は良く覚えてる。
まとめきれなかったチームが瓦解し、抗争で傷ついて息絶えた仲間を前にして、拳をきつく握りしめながらの言葉だった。
『どれだけ時間がかかっても、俺はチームをまた作る。だからそのチームの名前をつけてくれ』
雨の少ないロサンゼルスでは珍しく雨が降った日のことで、雨に打たれてぬれ濡れぼそった姿で言ったんだ。
ジョンの遺志を継ぐのだとマルディーニを名乗り、それまで下ろしていた髪を上げてつんつんの髪型にしていたグロウが、雨のおかげでセットが崩れ、ほんの少しだけグロウ・マラスに戻った数少ない瞬間だった。
だから俺は、その髪の色と、燃え上がる炎のような、と言う要望を受けて『Blaze』という言葉を告げた。
決して消えない不屈の炎のように、そして鋭い爪をもつ狼のように――そんな願いを込めた名を。
聞いたグロウは、軽く口笛を吹いて「いいね」と言った。
それからニッと笑って濡れた髪を上げた。
『じゃあ俺達こそ、その最初のBlaze Wolfになろうぜ』
『その場合、Blaze Wolvesだけどね』
『細かいこと言うなよ』
少し困ったような顔をしたけれど、すぐにグロウは笑った。
『そのチームが、ジョンの遺言への俺達の答えの形だ!』
最初のコメントを投稿しよう!