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あのジョンが亡くなった事件から、七年近くが経った。
それはつまり、グロウとジェイさんが過ごした年月と俺がグロウと過ごした年月がほとんど同じくらいになった、ということ。
そしてこの関係がずっと続いていくのなら。
グロウにとって一番側に、一番長くいる人間はジェイさんじゃなく俺、ということになる。
それはとても複雑な心境だった。
俺は別にジェイさんの代わりになりたかったわけじゃない。
むしろ二人に仲良く一緒にいてほしかった。
でもあの時二人は、そして俺達は、別離を選ぶことしかできなかった。
「まあ、懲りずにあいつの面倒を見てやってくれ」
七年前と同じような言葉をジェイさんが言う。
その言葉があまりに悲しかったんだけど、俺はもう子供ではなかったから。
全ての感情を押し込めて、綺麗な笑顔で頷いた。
「今更だよ。ま、俺の体力の尽きない限りは頑張る」
そう告げると、ジェイさんは少し苦笑を浮かべ、そして俺の頭をぽんぽん、と叩いた。
「……後で少し頼みたいことがあるんだがいいか？」
「かまわないけど……なに？」
「その時に言う。まあ大したことじゃない」
「了解」
言って俺が片手をひらひらさせると彼は席を立ち、今度はラヴェンダーさんの方へ歩いて行った。
飲み過ぎているわけではないけれど、ちょっとテンションが怪しくなってきていたから気になったのだろう。
その背中を見送りながら俺は思う。
この七年、俺とグロウはそれなりの苦労があった。
チームが瓦解し、失った仲間もいて、そんな中でも何とか立て直し、ここまできた。
だけどジェイさんはどうだったんだろう。
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