2)災害が忘れた頃にやってきた

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「いくらそんなふっくらした体型だからって、チームにまで『デザート』ってつけられたら、みんなつっこみたくなると思うぜ~」  その一言にまず、周りが凍り付く。  あからさまにKYなグロウはそんな周囲の様子に気づきもせず、続けた。 「どんだけ甘いもの好きなんだよ! って」  い、い……  言っちゃった---------!!!  そりゃ、俺もちょっと思ったけど!  口には出したことなかったよ!  さっきだって、そりゃあもう控えめにジョンの体系的描写はとどめたってのに!  あああ、空気が凍り付いてる。てかブリザードの幻想が見えるよ!    後ろのジェイさんも顔を覆って思い切り肩を落としてるし。  こいつ、本当にただの馬鹿だ-----! 「……てめえ、聞いてりゃ言いたい放題言いやがって……」  背は高いが横にもかなりふっくらしている(真実に近く訂正)ジョンがこめかみのあたりをぴくぴくとけいれんさせながら呟いた。  ぎりり、という拳を握りしめる音が部屋に響く。 「……なんで今更そんな怒ってるんだ? 自分でつけたんだろ?」  けれど当の馬鹿は全く理解した気配がない。  隣にいたジェイさんが小声で訂正を入れてやる。 「グロウ、スペルがちがう。たぶん、「s」二つのd・e・s・s・e・r・tのデザートじゃなくて、一つのd・e・s・e・r・tの方だ。砂漠って意味の方の」     「おお……!」  そこで初めて自分の発言のまずさに気づいたらしい。  とはいえ、覆水盆に返らず。  言ってしまった言葉はもうどうしようもない。  明らかにブチ切れオーラ前回のジョンを前に、グロウは一歩足を引く。    でも、どうしてかすぐに姿勢を戻した。  自信満々に胸を張る。 「よし、わかった」  何がどうわかったのかさっぱりの発言だったが、床にうずくまる俺はもちろん、隣にいるジェイさんも次にこの場かが何を言うのかわからず、はらはらしながらその姿を見守った。
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