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後で気づいたんだけどさ、グロウの髪って派手じゃん?
だからみんな結構、髪の色で把握してたところあったみたいなんだよね。
……本人には失礼でとても言えないことだけど。
でも実際、グロウ、と呼びかけたらジョンで、ということがよくあったんだ。
実を言うとこの当時、まだグロウは髪を上げてなくて、かなり長さも短かったんだ。
だから前から見たらまあ、見分けがつく。それは不幸中の幸いだったと思う。
だけどソファに座ってテレビ見ながらだべってたりされると、わかんないんだよね。
違いの一つである髪型と、何より一番大きな違いである横幅が見えないからさ。
テレビの光で淡く明るい色に光ってる髪を見て、グロウだと勘違いしちゃうわけ。
で、呼びかけたらトイレからグロウが出てきてびっくりした、というようなことが多々あって、周りからしたら結構な迷惑だったんだ。
あの冷静なジェイさんですら時折間違えて、驚いたように目を丸くしていたもの。
「本当に迷惑だから戻してくれないか!?」
とうとうある日ヒステリックにフェイが言ったけど、結局それは採用されることはなかった。
たぶん、面白がってたんだと思う。ジョンもグロウも。
そんな風にして、ジョンとグロウは日々仲良くなっていっていた。
でもじゃあ、その一方で元々グロウと仲の良かった、というかフェイの家に流れてきていたジェイさんはどうしていたか、というと。
これまた不思議な行動を取っていた。
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