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どんな行動かと言えば、明らかにグロウと距離を取り始めていたんだ。
それに、グロウは気づいていないみたいだった。
ジェイさんの態度はデザート・ウルフのメンバーがいない時はそれまでと変わらなかったし、何よりグロウ自身が新しい友人達とのつきあいに夢中だったしね。
だけど俺の方が気づいてしまったんだ。
だってグロウかジョンに引きずられるようにして、あるいは呼ばれて渋々とリビングに向かう時、奥の部屋に引っ込むジェイさんとすれ違うことが多かったから。
もちろん、デザート・ウルフのメンバーと一緒にリビングにいる時もある。
だけど会話にはあまり加わろうとせず、ただぼんやりと窓の外を眺めていたりすることが多かった。
対してジョンも含めたデザート・ウルフのメンバーも、元々グロウに比べて取っつきにくい上に、そういう彼の態度も察していたから、特に無理矢理巻き込んだり話しかけようとかすることはなかった。
だからグロウとジョンが日一日と距離を詰めていくのと反比例するように、グロウとジェイさんとの距離感は同じくらい開いていったんだ。
そんな様を端で見つめていて、なんだか俺はとても悲しかった。
あれだけ仲のいい二人だったのにって。
どうして距離を取ろうとするんだろう。
何故ジョンやデザート・ウルフのメンバーと一緒にやっていくことができないんだろう。
俺は時折、一人たたずむジェイさんに声をかけたくて、それらの問いを聞いてみたくてーーでもうまい言葉が浮かばなくて。
歯がゆさをかみしめながらじっとその横顔を見つめた。
端正な横顔に表情はなく、彼の考えを読み解くことなんてとうていできなかったのだけれど、このままになっていくのがいやで、ただ、見つめ続けた。
そんな俺の態度にもたぶん気づいていたんだろう。
だんだん彼は、俺とも距離を取り始めたんだ。
□ ■ □ ■
そんなジェイさんの態度にまんじりとしないまま月日は過ぎて、またさらに二週間が経った。
そこまでくるとフェイはもう諦めて、うるさい来客に対してなにも言わなくなった。
代わりに大量の耳栓を買ったらしい。
耳栓でうるさい人達を世界から締め出して、マウスやラット、時々ジェイさんと仲良くする生活に戻ったようだった。
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