3)弱きを助け強きをくじけ!

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「ギブ! ギブアップだ! もうやめてくれ!」  ジェイさんがぱしぱしと腕を叩いてそう言うと、ようやくグロウは腕の力を緩めた。  はらりと腕を解いたグロウを、ジェイさんが恨みがましい目で見上げる。  だけどグロウは、今度は力尽きたようにジェイさん肩に腕を回すと、彼の肩に顔を埋める。 「……頼むから」  そうして、喘ぐような声で、言う。 「お前までいなくなるとか、言わないでくれ」  かすれた声のグロウの囁きに、ジェイさんは驚いた顔をして傍らの友人を見た。  端正な顔を歪めると、ふるわせる友人の肩をぽんぽんと叩く。 「……――悪い」  そうして彼の返した言葉は、短いけれどまるで絞り出したような声で。  俺はその、二人のやりとりに、彼らが失ったものの大きさを痛いほど感じていた。
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