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――何度思い描いても、どんな角度で考えてみようとしても。
俺が現在から過去を思い出す時、いつも思い起こすのはこの夜と、そしてその一ヶ月前のあの、三人で誓った夜のことだ。
この二つの夜が俺にとって、とても重要な夜だった。
ううん。俺だけじゃない。
多分ジェイさんも、そしてグロウにとってもそうだった。
そしてあのとき背負ってしまった十字架はもう、下ろせない。
多分死ぬまで俺達は背負い続けないといけないんだろう。
あまりに近い未来にその十字架を背負うことになるなんて思いもしない幼かった俺達。
未来に影なんてないと、きっとうまくいくと、無邪気に信じていた。
そんな俺達の夜がひっそりと更けていのを。
まあるく白い月だけが、見守っていたんだ。
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