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だってチームの中じゃ確実に強いのは俺の方なんだよ?
だけど今回必要なのは喧嘩の実力じゃなくて身長と走る能力と腕の力だって言われてしまったらどうしようもない。
百七十センチどころか百八十センチを超えるようなやつがごろごろいる白人、黒人の中に混じって、まだ百五十センチに届くか届かないかの俺の身長じゃなんの役にも立たないもん。
それがすごい悔しくて、役割配置が決まった時から実はかなりいらいらしていた。
だけどこれはチームの行動。俺の悔しいとかそんなのを通しちゃいけないから。
グッとこらえてモニタを睨んでる。
――でも絶対、牛乳一杯飲んで身長伸ばしてやるんだ。
ていうような誓いは密かに立てていたけどね。
まあ蛇足だけどその近いに対しての現在の結果はと言えば。
それからすぐに成長期に入ったおかげですくすく伸び、百七十台後半までは伸びたんだ。
百八十センチ台後半のグロウとは相変わらずの身長差ではあるんだけど、でもまあ、アジア人としては健闘してる方でしょ?
と、俺の身長に関しての話題は、とにかく不快になるので一端置いておいて、肝心のミッションの方、なんだけど。
拍子抜けするくらいにするするとことは進んでいた。
金庫班はがっぱりとあいた隠し金庫からかなりの金額のドル紙幣と金塊、宝石を運び出したし、絵画班はサイズの大きいものもあったから少し苦労はしたけど、偽の名画を次々と持ち出してきた。
でも、それで全部がうまくいったらさ、さすがに罰が当たるってものだったのかな。
そうは問屋が卸してくれなかったんだよね。
あと残り十分と言う時だった。
「……あれ?」
俺は突然モニタに現れた不自然な丸い光に首をかしげた。
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