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「あれからずっと?」
「うん」そう言って僅かに顔を上下に振る和哉。
あの日から和哉はずっと1人で頑張ってきたのか…。
「まだ私の事好き?」
「は?」和哉は顔を上げて首を傾げる。
「まだ私の事好き?」
「まだって。栞に近づいたのは復讐するためだっただけで…好きとかそういうのは…」
「それは嘘だよ」どこから来るのか解らなかったけど何だか確信めいたモノが確かに私の中にあった。
「嘘じゃないから。現に俺は栞を裏切ったわけだし…」
「嘘だよ」私は和哉の目を真っ直ぐ見つめてそう言った。
「嘘じゃないから」和哉は挑むような挑戦的な目を私に向ける。
「じゃ~何で手をモジモジとさせてるの?」私は和哉にそう言って微笑む。
和哉はハッとしてモジモジさせていた手を体の後ろに回す。
「癖ってさ、誰かと長い間一緒に暮らすと移るんだよ。私は和哉がテレビに話すのうつっちゃったしね」
「嘘じゃないし…」和哉は瞳を右へと動かす。
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