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「人間は左脳で嘘をつくって知ってた?嘘をつくと人は無意識に視線を右へと動かすんだって」
「えっ?」和哉は明らかに困惑した表情をしている。
「まだ私の事好き?」
和哉はわざとらしく視線を左へと向ける。
「好きじゃないし」
「和哉、わざわざ視線を左へ移すのはわざとらしすぎるって…」思わず吹き出してしまった。
「俺の事、バカにしてる?」和哉は切れ長の目を細めて私を睨み付ける。
「うん。バカにしてる」と言ってまたケラケラと笑う。
「男はプライドの生き物だって昔、言わなかったっけ?」
「それは和哉にはあてはまらないはずだよ?和哉はプライドなんてちんけなものに振り回されたりしないはずだし」
「バーカ。俺にだってそれなりにプライドはあるんだよ」
「へぇ~。疑問に思った事は小学生にでも質問する和哉にプライドなんてあったんだ」
「た、多少は…」和哉はキョロキョロと視線を周りへと移動させる。
「和哉にあるのは優しさと知識欲だけだと思ってた」
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