Ｔｅａｒｓ

destitute

「何でも」

私がそう言うと彼は立ち上がって優しそうな瞳で私を見つめて口を開く。

「ちょっと待ってて。今買ってくるから」そう言って彼は私のいる部屋を出て行った。

彼がいなくなり私は真っ白な空間に取り残された。

部屋にはＢＧＭのように電子音が規則正しく響いている。

孤独が私を締め付ける。

これから私はどうなるんだろう？

考えたくない。疲れたなぁ。

私はまた目を瞑った。

瞼が重くて閉じずにはいられなかった。

「ね…ゃった…な？」

途切れ途切れに優しい低いあの声が聞こえて私は重たい瞼をこじ開けた。

薄暗いオレンジの光の中で彼が私の横で心配そうに私を見つめていた。

「起こしちゃったかな？」不安そうに彼は私の顔を覗き込みそう言う。

喉が渇いて声が上手く出せなそうだったから首を左右に振る。

「そっかぁ。なら良かった。コーヒー買ってきたけど飲む？確かコーヒー好きだったよね？」

私はその問いに首を縦に振る。

コーヒーは好きだけど今は…。

「やっぱりコーヒーよりお茶が良いかな？」