189人が本棚に入れています
本棚に追加
「希紗は今のままでも十分可愛いと思うが…そうだな、良く似ているからきっと美人になるだろう」
生真面目に頷いて答えると、希紗は不意に狼狽したかの様に視線をそらし
「え!?あ、え~と…あ、ありがとうございます」
(うわぁ!白哉さんてスゴイ事さらっと言うなぁ…)
まさか本気で返されるとは思わなかったので、まともに目線が合わせられない。
対する白哉はと言うと、何故希紗が真っ赤になって狼狽しているのかが分からずに、不思議そうな表情で首を傾げていた。
「どうかしたのか?」
「はぇ!?あ、いえ別に!き、気にしないで下さい!」
「?…ああ」
慌てて手を振ると希紗は小さく溜め息をついた。
気にするなと言われればそうせざるを得なくて、白哉も曖昧に頷いた。
場に落ち着かない空気が満ちる。
その空気が耐えられなかったのか、先に口を開いたのは希紗だった。
「…私、両親二人共、今は出掛けてるって言いましたよね?実は、私が二人にお願いしたんです…」
急に語り始めた希紗に疑問を抱きながらも、紡がれる言葉に耳を傾ける。
最初のコメントを投稿しよう!