第1章~始まりの夜~

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少女に刃が振るわれる数秒前。 鞍馬は二人の会話を聞いて考えていた。 (いったいなんだよ。何の話してんだ、しかもあの男なんで包丁なんか持ってんだ…) 現実離れした光景、普通に日本で生きていたら包丁を向けられるなど中々ない。 鞍馬はそんな光景を目の当たりにし、自分はどうしたらいいのかわからない状態だった。 (そうだ、電話…とりあえず警察に電話しないと) そう思ったときに、あの男が振りかぶった。 「あっ…」 気がつくとそんな声を小さく漏らしていた。 鞍馬は『どうしたらいいかわからない状態』なのに。 鞍馬は『とりあえず警察に電話』もせず。 ザッ! 走り出した。   あの少女の元へ…  
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