第1章~始まりの夜~

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「聖夜遅いよー」 「いや、お前が早いんだろ…ほら、まだ9時前じゃねーかよ」 「そんなん言ったらご飯あげないよ?」 そう言いながら友野は弁当を取り出した。 「いつもあざまーっす!」    「はいはい、さっさと食べなさい」 「うぃ」 鞍馬は親の仕送りで東京に一人暮らしをしている、それでこうやって友野の世話になることが多いのだ。 鞍馬は弁当を食べ終え、望遠鏡の準備をし終え、夜空の星々を覗き込んでいた。 そして明に変わりぼーっとしていると、公園の横の雑木林に"何か"煌めくものが見えた気がした。 「明、今なんか見えなかった?」 「何が?何を見たの?」 「いや、あそこの木の間なんか見えなかった?」 「わかんないよ。私は星見てたんだから」 「ちょっと俺見てくるわ」 そう言って鞍馬は雑木林に走り出した。  
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