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オレにはそう言わしめるだけの特殊な力がある。
ここでオレに与えられた選択肢は
『当たる』か、『避ける』か。
勿論、オレが選ぶのは『避ける』だ。
「な……ッ!!」
その瞬間、オレの体は自分の意思とは関係なしに身をかがめ
男の腕を寸前でかわす。
対する男は予想だにしなかった事態に体の重心を保つことができず、消化することのできなかった自らの勢いとともに段ボールやら缶詰やらの散乱する地面に派手に転がってゆく。
それを見るや否やもう一人の男が背後から殴り掛かってくる。
不意打ちなら体の細い自分でも充分勝機があると踏んだんだろう。
たしかにそれは間違ってはいない。
けどオレの視界に入ってしまっている以上、転がっている男同様
当たりはしない。
オレが『避ける』を選択するからだ。
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