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数分後-
男達は傷だらけの体を抱えておどおどと裏道を抜けて逃げて去ってゆく。
去ってゆく男達は悔しげな表情で後ろのオレを見つめていた。
アンタ達が勝手に転びまくってただけなんだけどな……。
「ホラ、終わったぞ。」
そう言うとオレは振り向き
後ろで頭を抱え、うずくまっている少女に手を差し延べる。
染めているのか微かに赤みがかったその髪の毛は夕日に照らされまばゆく光り輝いている。
オレがこの街で高校時代に着ていたブレザーと同じものを着ているところをみるとこの子もそこの学生なのだろう。
元はといえばこの子があの男達にからまれていたのを見つけたのがきっかけで
オレはわざわざ男に肩をかすめて注意をそらせた。
我ながら見栄をはったもんだ。
少女は差し出された手を握り立ち上がるが
オレの顔を見て、何故か不思議そうに首をひねる。
「もしかして……双?」
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