TWO TACTICS

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「そうお茶。この間お客さんにもらった美味いカステラがあんだ。お前好きだったろ?」 真琴はオレの言葉に考えるように唇に人差し指をあてる。 なんかマズイこと言ったかな……? 「そういえば双の家ってどこ……?」 真琴は指を唇にあてたまま頭をかたむける。 そうか。コイツには孤児院に手伝いに来ていた時にしか会ってないんだった。 「そうか知らないんだったな。今のオレの家はあの孤児院なんだ。 ……んでオレが今の院長。」 オレは話しながら裏道から抜け出すために真琴に背を向けて歩きだす。 真琴はそれにトコトコと少動物みたいな駆け足でついてくる。 やっぱりこういうとこは四年くらいじゃあんまりかわんないもんなんだな。 全く別人になったわけではないということをあらためて実感できるとどことなく嬉しくなる。 安心するってことかな。
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