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「……………そんな」
オレの言葉に真琴は悲しそうにうつむく。
真琴は叔父さんをしたってたからな。
当然といえば当然の反応なんだろうけど……
それでもオレを気付かって涙を流さないよう瞳にためるその姿は心が痛む。
なんとかしてあげたい。
そう思い慰めの言葉を探してみるが何も見つからない。
つくづく自分の無力さを思い知らされてしまう。
そんなオレの気持ちを組みとってか真琴は袖を軽く握る。
何故、今このタイミングなのかはわからない。
けどオレを見つめるその表情はさっきよりも暗いように見える。
理由はわかっていた。
だって真琴は……
「力、まだ消えてないの……?」
オレの『選択』の力を知る唯一の人間なのだから。
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