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「あんた、誰よ?」
新城くんが目を開けると、目の前に一人の女の子がいた。
上空に空が見える限り、どうやら新城くんは、仰向けのようだ。
「いっつー、」
頭を押さえながら起き上がる新城くん。
こう言う場合、膝枕は必須の筈なのだが、どうやらお約束はないらしい。
「んー、どこだここ?」
辺りを見渡すと、一面に広がる草原。
もともと、口一ソンの辺りは田舎で、目の前に『タヌキ注意』の看板が立つほどだったが、これほど迄ではなかった。
「ちょっちー、あんた聞いてんの?」
ガヅン!
「はうぁ!!」
なにか棒の様なもので、脇腹を抉られた。
やばい、なにこれ?気持ちい…、じゃない、いてぇええ!!!!
地面に転がりながら、上を見上げると先ほどの女の子が、目付きを鋭くさせ新城くんを睨んでいる。
「聞いてんの?」
白いワンピースの彼女は、イラついた声で再度新城くんに問うた。
あ、色は白ですか。
「うっぁ…、お、俺ですか?」
「あんた以外に誰がいんの?馬鹿なの?」
「初対面に馬鹿とは失礼だな。まぁ、否定はしないが、」
自覚があるぶん馬鹿ではないと思う。
取り敢えず起き上がり、どつかれた脇腹に手をやる。
良かった、色素は死んでいない。
「で、あんた誰なのよ?」
「俺か?俺は新城!コンビニマスターになる男だ!」
その三秒後、殴られました。
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