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専門学校に進学が決まって、私は上京した。
いい機会だと、思ったから。
私に両親はなく、叔父が親代わりだった。
関係は決して悪くはなかった。
高校も出してくれたし、専門学校にだって入れてくれたのだから。
でも、愛情を感じることはなかった。
『本当の子供だと思っているからね 』
人生の節目で幼いながらに負い目や引目を感じる私に対して、そう囁く叔父の瞳や肌に温もりは感じられなかった。
案の定、家を出ることは割とすんなり行き独り暮らしが始まった。
学校に慣れた頃には社交性やタフさも身に付いて、交遊関係の広がりと共にバイトも幾つか掛け持ちするようになって。
でも
いつも何処かで、埋められない隙間のようなものを感じていた。
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