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[グギャアアァァァッ!!]
夜の山奥で、巨大な狼の姿をした妖が斬られ、断末魔の声を上げ倒れた。
妖を斬り殺した人物は、血がべっとりと付着した刀を振る。
「今宵は美しい月夜じゃ…」
その人物は三日月が浮かぶ夜空を見上げ呟いた。
月の光に照らしだされたのは、若く美しい、黒髪の娘の姿。
異質な銀の右目と深紅の左目は魅入られたかのように三日月を見つめている。
やがて彼女は刀を鞘に収め、その場から去っていく。
その場には、バラバラになった数十匹の妖達の肉片だけが残されていた。
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