十六歳の陸奥守

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「昨日、山賊が出現したのには気付かれましたか」 「行軍が停止したのは山賊であったか」 「顕家殿は実に見事に、切り抜けられましたぞ いや、賊に付け入る隙を与えなかった あの指揮ぶりに諸将はもちろん兵の心も大きく動いたでしょう 兵は辛さに堪えるものでございますがそれだけでは強くありません 無条件の指揮者にたいする信頼が強くします 楠木殿の兵のように」 「まだ私にも学ぶことがあるな」 親房は顕家が人に心酔しない性格を知っているから楠木や大塔宮とやり取りをしようと心配していない 顕家も学ぶことを学んだのだろう
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