十六歳の陸奥守

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六の宮はまだ六歳。 行軍に疲れ果て輿の中で眠っている その間は親房が膝に抱いている 後ろの輿は一日使っただけである 軍勢は身軽で強健な者だけが選ばれた 荷駄も最小限に押さえている 都を発つ時は5000いた大軍は二つに分けられていたようで2000にもみたぬ軍勢のみが先行している 残りは公家一行を連れているし荷駄も多い このままだと後続の到着は少なくとも十日は遅れるだろう 厳しい行軍ではあるが陸奥守として下向する以上は一刻も無駄にはしたくない顕家(あきいえ)の気持ちがよくわかる
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