十六歳の陸奥守

4/14
前へ
/275ページ
次へ
京にあるときの顕家とは仕草や表情までも違う 父である親房にも必要なこと以外は話し掛けてこない 心はすでに多賀国府にあるようだ しかし親房にも予感はある 鎌倉幕府は見事に倒れ後醍醐帝の親政が即座に開始されたがすでに争いが起きる兆候がある 今の帝の皇子と足利尊氏の対立である 武士同士、公家同士の対立ならば決着は難しくはない しかし。 武士の頂点と帝の皇子の争いなのである 皇子は親政をきっかけに武力も朝廷で握ろうと考えた その第一歩が武門棟梁たる征夷大将軍の地位である 自然、足利尊氏は面白くない
/275ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加