十六歳の陸奥守

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一方宮中ではかつてない速さで顕家が昇任を続け陸奥守に任じられた それを機に親房も法体のまま顕家の後見を任じられた 後醍醐帝が思い描くものがなんであるかすぐに理解はできた 白河、菊田の両関以北の武士の頂点に公家をたて九州、四国でもそうする そうやって武士の力を徐々に朝廷に吸収していく 武士の棟梁もなし崩しに配下の一大将にならざるをえない だが皇子が自分の帝位を脅かす不安がある いま皇子の思いを帝が汲めば、という瞬間がなんでもあった 逆に肝心なときはいつも突き放す。
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