十六歳の陸奥守

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親房が顕家の後見をうけたのは顕家が望んだ以上の息子であったから。 だけではない 今白河以北に強大な朝廷勢力を作れれば関東の足利に、背後から圧力をかけられる それがもっとも効果的に支えられる方法だと思えた 「……」 しかし行軍がきつい 親房は息子である顕家が、いつ、これほど行軍を指揮できる体力気力を身につけていたのか知らない 学識も宮中随一の博学と言われた親房さえ舌を巻くほどになった 学識だけの公家になるのかという思いも杞憂におわり、それどころか総大将としての顕家に微かな畏れさえ覚える 「…ンン」 膝で眠っていた六の宮が眼をさます 「親房 まだ夜ではないか?」
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