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「御所様
雪でございます」
夜になれば身体をのばして眠ることができる
それが待ち遠しいようだ
その六の宮の気を紛らわそうと親房はいった
六の宮を御所と呼んだのは、まだ正式に受けたわけではないが多賀国府に到着すれば宣下はすでに規定のめのだからだ
「…のう
顕家はまだ馬に乗っているのか」
「先頭におります」
「強いのう…」
顕家は六の宮にも甘い態度はとらず、むしろ厳しいくらいだ
だがなぜか顕家に六の宮は心を開いているようだ
「この先の館にて半刻の御休息です」
馬の蹄の響きとともに輿の警護についている結城宗広(ゆうき・むねひろ)の声がした
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