だって男の子だもん(太閻太+鬼)

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そう、生前から死後、この冥界でも親友のような長い付き合いをし、先日ようやく結ばれた相手。人間と神という不釣り合いにも程がある二人だが本人達はあまり気にしていないらしい。 聖と魔で反発しあうと思いきや、彼らは欠けた魂の片割れと言える程によく似ていた。 二人がこんな関係になるまで閻魔に何かと相談され辟易していた鬼男だった。閻魔の機嫌が悪かったり落ち込めば天候は荒れ、裁判時間も延びる。一番の被害者は間違いなく鬼男だ。 それもようやく解決し、両想いになった二人にようやく肩の荷が降りた所だったのに…。 厄介事に自ら巻き込まれに行く事がしばしばある、という自覚が自分にはある。 そんな損な性分の鬼男は目の前のオッサンの、恐らく馬鹿馬鹿しいであろう悩みに耳を傾ける事にした。 対して、彼は鬼男の質問にしょんぼりと首をふる。 「上手くいかなかったんですか?」 と聞きながら自分は何をしているんだという寒気を抑える鬼男。 「最初は上手くいってたよ。抱きしめて、チューもして・・・鬼男くん、ひび入るからそれ以上柱を殴らないでくれ…。それでいざ!と思った所でさ。押し倒されたんだよ…。あれ?俺が下?って聞いたらさも当然とばかりに当たり前だとか、俺が可愛いからとか…っ!そんなの全然嬉しくない!俺だって男なんだから抱きたいに決まってんだろっっ!!」 どんどんヒートアップしていく主張が終わると同時にミシリッと鈍い音が響いた。
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