01

2/7
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「綺羅、」 キラキラと光るそれは彼の名前によく合っていた。 彼の首元を飾るペンダントは半月で、それは確実に誰かと合わさる為の運命にあったけど… それでも俺は現に目の前にいる彼を抱いているのだった。 「は、ん…ッ……」 「痛い?」 「大丈夫…だから、もっと…」 続けて、と掠れる声に僅かな理性はプチンと音を立てて崩れ去っていった。 肌のぶつかる音と俺の浅い息、耳に残ったのは君の甘ったるい喘ぎ声だったけど。 「そ、う……っ」 名前を呼んでくれるだけで。 「綺羅…っ」 俺の心は最高に満たされる。 何だろうこの感覚、身体は疲れているはずなのにフワフワ浮いているみたいな… 自分じゃないみたいだ。だけど、勝手に身体は動いている。  
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!