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今日は朝から出勤。昨日盛ってしまったせいで軽いデスクワークですら身体がギシギシと痛んだ。
昨日の夜あんま寝てないしな…そう思い溜め息を吐く。
綺羅と会った翌日はいつもこうで、毎回反省はするのにいざ会ってしまうと抑えが効かない。
「咲夜主任!あの~…これ先日頼まれてた資料です」
「有難う」
「い、いえ…お礼なんて……ふふ」
にこりと微笑めば途端に顔を赤く染める部下の子。
そうなんだよな、綺羅以外の人って…こんな言い方は失礼だけどこんなもん。
少し笑顔を魅せれば、すぐにコロッと態度を変えて。
だから、綺羅以外の相手には本気になれない。
「主任」
ふと呼ばれて我に返ると、目の前には子犬のような顔立ちをした男が突っ立っていた。
「主任、あの少し話があるんですけど」
「あぁ、…君はもう戻っていいよ」
「あ、はい…」
さっきの子は極めて控えめな態度で戻って行く。
人が来た途端こうなるんだもんな。
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